布団と睡眠

睡眠の科学

昔から盗賊は寝入り鼻をねらうといわれるが、人間が布団に入ると、まず寝入り鼻に深い眠りがあり、それから浅い眠りがつづいて、これを一晩に5回繰り返し、明け方になって深く眠ってから目覚めとなる。しかも深い眠りにも段階があって、最初の波底がもっとも深く、あとほど深度が軽減されてくる。
そして波の高いところはレム睡眠(逆説睡眠)といって、みかけはよく寝込んでいるように見えるが、脳波は目が覚めている時と同じようなパターンを示し、眼球も動いている。この眼球の動き、つまり rapid eye movement を略して、REM(レム)睡眠と呼ばれている。

一方、波の深い方は、眼球の動きが少ないのでノンレム睡眠といわれるが、この時期は眼球が動かないだけではなくて、夢も見てはいない。
ところが、レム睡眠の時に目覚めさせると夢を見ていたことがわかる。つまり、夢の中でわれわれがいろいろな物を見ると、とうぜん夢の中のわれわれ自身の目も動くはずだが、それが身体の運動となって眼球を動かしているのである。

さらに、その夢は外界の刺激とも関連があって、室温を上げると夏の夢、室温を下げると冬や氷の夢が多くなる。

夢の科学

胸の上に手を置くと、苦しい夢を見る。立て膝を急に崩すと、崖から飛ぶような夢を見る。
しかも、夢は、長い時間のプロセスを圧縮して、瞬間的に見ている。立て膝を急に崩すというのは、ほんの瞬間に近い行為だが、この時にみる夢の内容は、友人に会い、山に入り、崖をよじ登り、熊に出くわし、崖から飛び下りる。といったような長い夢をみている。これは、瞬時に大量の思考が働く集中力が、レム睡眠中にある事の証かと思われるが、夢の中で偉大な発明を思いついた偉人もあるほどだから、夢といえども決して馬鹿にはならないことがわかる。

ノンレム睡眠の間は夢をみないが、これは脳が眠っているからで、歯ぎしりしたり、鼾をかくのはこの時だが、身体の疲れが癒されるのも、このノンレム睡眠の深さによる。

布団と睡眠

覚醒中に、脳脊髄中に睡眠誘発物質がたまり、睡眠を起こすと言われている。また、睡眠はエネルギー消費の調節に重要な役割を果たしていると考えられており、健康な生活には睡眠が必要であるが認められている。
子供によくみられるように、眠くなると手足が暖かくなることは知られている。これは、手足の皮膚にある血管が拡張する事によるもので、その結果、身体からの体熱放散が増大し、体温が下がる。したがって睡眠時には、この放熱を防ぐため布団をかける必要が生じてくる。

 

一晩のうち、身体全体を動かす寝返りは、20回〜30回もある。しかもさまざまに姿勢を変え、時には逆向きになったりするにもかかわらず、目覚めの時には眠りに入った時とほぼ同じ姿勢に戻っている。だから自分は姿勢正しく睡眠を続けていたと思いがちであり、中には上向きで一晩中じっと寝ているものと信じてる人も少なくない。
上向きの時間が長ければ疲れが癒される割合も増える。例えば、板のようなせんべい布団で寝た場合は、すぐ背中が痛くなって、右に左にと姿勢を変えることになる。柔らかすぎる布団の場合も腰が沈んで苦しくなるから、姿勢を動かして、時にはうつ伏せになったりする。

よって、良い布団は、柔らかさの中に適度な硬さを組み込む事が重要であって、芯に硬いわたを設置し、その周りを柔らかい巻きわたで覆った3層構造が理想ということになる。
畳の上に布団を敷く場合は、畳というクッションが役割を分担するから、比較的薄い敷き布団でよい。

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